内科一般
内科は身体全体の不調や疾患について、薬物治療を中心として治療を行う診療科です。取り扱っている疾患は風邪から生活習慣病まで非常に幅広く、呼吸器・循環器・消化器などの診療科目を幅広く取り扱っています。
不調を感じているけれど、何科を受診して良いのか分からない、なんとなく不調でどこが悪いかよくわからないといったお悩みのある方は、まず内科を受診してください。
様々な身体の不調でお悩みがありましたら、まずはお気軽に当院を受診してください。
生活習慣病について
生活習慣病は、発症に大きく生活習慣が関わる様々な疾患をまとめたものです。生活習慣には、食事に関する習慣、生活リズムなどに関する習慣、嗜好品に関する習慣などがあり、広い意味ではアルコール性肝疾患やがん、歯周病なども含まれています。代表的なものとしては、高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・高尿酸血症(痛風)です。特に高血圧・糖尿病・脂質異常症はいずれも血管に大きなダメージを与え、動脈硬化を来し、脳血管障害や冠動脈障害など命やその後の生活の質に大きく関わる疾患の原因となります。
これらの疾患は、発症してしまうと完治は難しいので、生活習慣を改善していくことで、進行・悪化させないことが大切です。
当院では、生活習慣の改善などについて丁寧にアドバイスを行い、投薬治療も行っていきます。健康診断で何らかの異常を指摘をされた方や、40歳を過ぎて肥満や体調不良などでお悩みの方はいつでもご相談ください。
高血圧
全身に栄養や酸素を運び、老廃物や二酸化炭素を回収してくる血液を送り出しているのが心臓です。心臓はポンプの役割をしていて、心臓から送り出した血液の血管に加わる圧力を血圧と言います。血圧はmmHgという単位で数値化されます。最近は血圧計は電動式ですが、以前は水銀(化学記号Hg)を細いガラス管に入れて、血管の圧力で水銀を押し上げる力を測定していたので、ガラス管の水銀を1mm押し上げる力が1mmHgとなりました。
心臓が収縮したときの血圧を収縮期血圧と言い、血圧の一番高いところなので「上」、拡張したときの血圧は拡張期血圧と言い、一番低くなる血圧なので「下」という言い方をすることもあります。一般的に血圧を測定するとこの2種類の数値で収縮期/拡張期という書き方をします。140/90というふうです。血圧計は脈拍も一緒に表示されるので脈拍にも注目してください。普通、安静時の脈拍は大人では1分間に60回前後です。緊張したり、運動したりすると心臓は体に酸素や栄養をたくさん送ろうとして血液を沢山送りだすので血圧も脈拍も一緒に上がります。血圧を測ったときに脈拍が多くなっているときは安静時ではない血圧ということになります。
この収縮期血圧が診察室で140mmHg以上もしくは拡張期血圧が90mmHg以上、または家庭でリラックスしている場合は収縮期血圧が135mmHg以上もしくは拡張期血圧が85mmHg以上の状態が続いていることを高血圧と言います。
血圧は1日のうちでも、また精神状態や肉体状態によっても変わって、大きく変動するものです。1度この数値を超えたから高血圧というのではなく、定期的の測っていて高止まりになっている時に高血圧とします。
高血圧の状態が続くと、血管には大きな負担がかかるようになり、動脈硬化を起こします。動脈が脆くなり、脳の血管が破綻すれば脳血管障害、心臓の冠動脈が破綻すれば心筋梗塞など命に関わる重篤な疾患を引き起こリスクが高くなります。
高血圧は、生活習慣に大きく関わって起こります。塩分過多などの食習慣、肥満、お酒の飲み過ぎ、運動不足といった生活習慣上の問題点を改善するだけではなく、血圧上昇の大きな精神的要因であるストレスもできる限り発散して、標準血圧内にコントロールし続けることが大切です。
喫煙は有害物質を発生させて血管内皮を傷つけ、血栓ができやすくなったり、動脈硬化を促進します。交感神経を刺激して心拍数の増加、血管収縮、血圧上昇、心筋の収縮および酸素需要の増加を引き起こします。他にも肺がんリスク等様々な健康被害を起こします。
脂質異常症(高脂血症)
脂質は、身体を動かす重要なエネルギーのもととして、欠かすことのできない栄養素の一つで、脂質を細胞に届ける役割をするLDLコレステロール、余った脂質を回収する役割をするHDLコレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)などの形で血液中を循環しています。
細胞がうまく脂質を利用できなくなると血液中に脂質が溢れ、血液は重くドロドロの状態になります。LDLコレステロールが多すぎる(140mm/dL以上)、HDLコレステロールが少なすぎる(40mg/dL未満)、中性脂肪が多すぎる(150mm/dL以上)という3つが考えられ、それによって高脂血状態になると、血管中に余ったコレステロールが溜まり、アテローム(粥腫)ができます。この状態が続くと、ついに血管に瘤のようなプラークができ、その部分の血管が非常に弱く、脆くなってしまいます。このプラークのところに血流が滞ってできた血栓が剥がれて流され、脳の血管に詰まれば脳梗塞、冠動脈で詰まれば心筋梗塞が起こります。
動脈硬化のリスクが非常に高いとされる脂質異常症(高脂血症)ですが、脳梗塞・心筋梗塞といった命にかかわる合併症が発症するまでは無症状であることが多いため、生活習慣病のリスクの高まる40歳を超えたら、何も症状が無くても、健康診断や血液検査などを定期的に行い、早期のうちに発見し治療を開始し、生活習慣の改善を行って、血中脂質を標準値内に留めておくことが大切です。
LDLコレステロールを悪玉、HDLコレステロールを善玉と例えますが、コレステロール自体に善玉・悪玉はなく、その双方がバランス良く働いていることが肝心です。食習慣の改善では、その点に気をつけて、様々な栄養素をバランス良く、摂り過ぎないように食べることが大切です。
糖尿病
食事などから摂り込まれた糖質は、身体の中でブドウ糖に変換されて、血液の流れに乗って(血糖)、身体中の細胞に届けられ、エネルギーとして使われます。エネルギーのほとんどがこのブドウ糖なのです。余ったブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられます。ところが何らかの原因でこの仕組みがうまく働かなくなると、血液中にブドウ糖が溢れて(高血糖)重いドロドロの血液になります。
血中のブドウ糖の働きをコントロールしているのは、膵臓の膵島(ランゲルハンス島)というところで分泌されるインスリンという物質です。
何らかの事情から膵島でインスリンが分泌されなくなるのが1型糖尿病、インスリン自体は分泌されていても、うまく機能しなくなってしまうのが2型糖尿病です。日本人の90%以上が2型糖尿病です。生活習慣病に分類されるのは2型糖尿病です。
糖尿病になると、血管への負担が非常に強く、身体中の各所で血管が破綻してしまうリスクが高まります。脳血管障害、心筋梗塞など大きな動脈の破綻のほか、網膜の血管が破綻すれば糖尿病網膜症、腎臓の血液をろ過して尿を作る糸球体の血管が破綻すれば糖尿病腎症、手足の神経の周りの血管が破綻すれば神経も障害されてしびれや知覚障害・疼痛が出現します。糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性末しょう神経障害(ニューロパチー)は糖尿病の3大合併症と言われています。
血糖値は食事に影響されるため変動が大きいため、血中のヘモグロビンとブドウ糖が結合してできるヘモグロビンA1c(HbA1c)の数値を重視します。HbA1cは、過去1~2か月の間、血糖がどの程度高く、長く続いているかという状態を表すので、採血時の食事に関係なく血糖の状態を知ることができます。ヘモグロビンA1cは血液検査で測定し、6.5%以上が糖尿病とされます。
糖尿病は、いったん発病してしまうと、完治することはできません。早期のうちに発見し、生活習慣の改善や適切な投薬治療を行うことで、合併症を予防し、日常生活に支障のない状態を維持することも可能です。特に糖質コントロールとカロリーコントロール、適度な運動が大切です。しっかりと続けて良い状態を保つようにしましょう。
痛風(高尿酸血症)
尿酸は細胞活動に必須のプリン体という物質の老廃物です。プリン体はほとんどの生物の細胞にあり、人間は8割を体内で作られ、残り2割を食物から摂取しています。
尿酸はある程度身体に保持され、新しく尿酸が作られると、その分だけ蓄積された尿酸が尿から排泄され、バランスを保っています。何らかの理由で尿酸が作られ過ぎたり、うまく排泄されなくなると、血中の尿酸濃度が高くなり、血中に溶けることができず、結晶化してしまいます。
尿酸の結晶は尖った形をしていて、関節に付着します。運動などにより剥がれて関節液内に移動すると、白血球が異物として排除しようとする免疫システムが働き激しい痛みを起こします。
高尿酸血症の一番有名な病気は「風が吹いても痛い」という痛風発作ですが、それ以外にも腎臓(痛風腎)・尿路結石・心臓病・動脈硬化など様々な合併症が起こります。
飲酒によるアルコール摂取は、プリン体を増加させます。一緒に摂取するおつまみにもプリン体の多い食品が好まれます。
酒類を控える、プリン体の多い食物を控えるなどの食生活のコントロール、適度な有酸素運動を続けるなど、生活習慣の改善を心がけましょう。水分を十分摂ることも尿酸の排泄を促進するので大切です。激しい運動は新陳代謝を過度に促進しプリン体を増加させるため逆効果です。